伊野本市松が明治37年(1904年)に創業。地名の「西條」と、めでたい「鶴」をあわせ「西條鶴」と命名。
明治より令和の時代まで皆様に愛され続けていただけるように日々努めております。
創業より使っている酒蔵、母屋等は平成28年に国の登録有形文化財に指定されています。
平成18年秋の酒造りから前杜氏引退に伴い、季節杜氏を廃止。社員での酒造りへ移行。
伝統の広島杜氏の技を受け継ぎ、38才で杜氏となった宮地 充宣(みやじ みつよし)と『地酒は慈酒、西條鶴を飲んでくださるお客様に“口福と幸福をお届けする”』をテーマに日々精進をこころがけて醸しています。
酒造りの技を磨くのは、西條鶴を飲むお客様に美味しい・幸せと仰っていただけるお酒を醸すためと心掛け日々精進しています。
広島地酒の原点に帰り、広島の風土、食材との相性を徹底的に見直し、Classicな広島の味わいを大切にしながら、現代の味わいModernを融合させ、広島のソウルフードお好み焼きをはじめ、瀬戸内の魚介類、広島の食材、食事とあわせて美味しく召し上がれるお酒を醸して行くことを目標として酒造りに励んでいます。
西條鶴は酒蔵通りの小さい蔵。
蔵元自ら冬場には酒造りに入ります。工程ごとに分業するのではなく、全員で酒造りを行うのが特徴。
手が足りないときは、女性スタッフも蔵の中に入ります。みんなで酒粕を剥がしますし、みんなで瓶詰めも片付けもします。
みんなで心を込めて醸すワンチームの酒蔵です。
この規模の蔵だからこそできることを極めて参ります
この三大銘醸地とされる東広島市・西条で杜氏として酒を醸せることを非常に光栄に思い嬉しくもあると同時に、重責を感じつつ酒造りに日々精進しております。
私は基本的に自由で型に嵌まりたくないタイプなので、それをお酒に表現し、何処にもない味わいの酒、それが西條鶴の味になればと思っております。
酒造りで心掛けているのは、慌てず長い時間をかけて、醪をしっかり溶かすことです。温度を急に上げたり下げたりせず、醪任せにし、醪自身の力で発酵するのをじっくりと待ち、余計な手助けはしないで、醪を強く育てる。子育てと同じで、過保護にせず、任せてやる。
その為の準備は万全を期し、環境を整えて酒造りに臨んでいます。
わたくしごとにはなるのですが、私には忘れられない言葉があります。
杜氏になって二造り目が終わって間もない頃、父親が他界する一週間前に「ええ酒はおいしゅうて当たり前じゃが、安い酒で旨いのを造ったらええんで」と言ってくれました。
ずっと今でもその言葉を大切に思いつつ酒造りを続けていき、お客様に口福と幸福を届けられるお酒を醸していきたいと思います。
西條鶴 杜氏 宮地 充宣(みやじ みつよし)